結論、ガイアフロー静岡蒸溜所見学ツアーは楽しい。ウィスキーは美味しい。ボトル発売が楽しみ♪ 祝!プロローグK発売♪♪
※お酒は二十歳になってから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています
静岡県静岡市にあるガイアフロー静岡蒸溜所の見学ツアーに参加してきました。(東京から日帰りで来ている方々もいましたよ!)
ウィスキーができるまでを、ガイドさんに丁寧に説明してもらいながら、実際に歩いて工程を見ていくことができます。
まずは静岡駅からガイアフロー静岡蒸溜所までです。
静岡駅北口からバスで向かいます。(片道1時間ほど。運賃920円)
静岡市の山奥は「奥静岡=オクシズ」という愛称で呼ばれています。
静岡市ですが、実は市街地の面積は市全体の20%程度で、ここに市の人口の95%の人々が生活しています。市の面積の大半は、豊かな自然が残る山間の地域です。ここでは、ゆったりとした時間の流れの中で、昔ながらの生活が営まれています。
そこには、地域特有の風習や祭事などの歴史ある文化、わさび・茶などの人の手と心で作られた作物と加工品の数々、棚田や茶畑といった美しい景観が今も多く残っています。また、それらを取り巻く自然環境は、豊かな水や食べものを育み、良質な木材を産み出すとともに、治山治水の面からも都市の生活基盤を支え、きれいな景色や温泉などは、私たちに安らぎと癒しをもたらしてくれます。市街地からたった30分足をのばせば、都市では味わえない魅力ある生活と環境があり、そこに住む人達が温かく出迎えてくれます。
静岡市では、そんな魅力ある地域を多くの人々に親しみを持っていただけるよう、「奥静岡」=「オクシズ」の愛称をつけ、PRしています。
静岡市役所 経済局 農林水産部 中山間地振興課(https://www.okushizuoka.jp/about/)
そのような静岡市の中山間地域にあるのが、ガイアフロー静岡蒸溜所です。
こちらの蒸溜所見学ツアーに参加してきました。
ツアー行程
受付
蒸溜所はこちらから入ります。
ここで靴を脱いでスリッパに履き替えます。
お手洗いは入ってすぐにあるので先に行っておくことをオススメします。
準備を済ませたら2階の試飲室へ移動します。
2階に上がり、試飲室に入るとこのような光景が目に入ってきます。
たくさんのウィスキーが並んでいます。輸入販売を行なっているそうです。
オシャレなカウンターで受付をします。
時間まで試飲室で待機しますが、この試飲室の奥にある大きなガラス窓から見えるのが蒸溜所内の蒸留機です。
でかいですね!
簡単に説明を受けて、いよいよ蒸溜所見学ツアーのスタートです!
発酵槽下部
最初に出迎えてくれるのが静岡市産の杉を使った発酵槽です。(右奥)
で、でかい!約8,000リットルの容量だとか。
壁も静岡市産の杉や檜を使っているそうです。
林業が盛んなオクシズの地元のものを使って、地域とともにウィスキー作りを行なうことにこだわりをもっているところ、すばらしいですね。
発酵槽の下を見られるのはとても珍しいらしく、せっかくなので撮ってみました。
さて、2階に上がっていきます。
麦芽粉砕室(MILL ROOM)
粉砕室という猛々しい部屋に入っていきます。
オレンジ色のでかい四角い箱がありました。
これは麦芽を貯蔵しておく大きなサイロで、真ん中でセパレートでき、左右に種類の異なる麦芽を貯蔵しています。
17トンの麦芽が入るそうですが大容量すぎて想像できませんね(たぶん17トンずつで34トンは入る)
のぞき窓から麦芽が入っている様子が見えました。
麦芽がぎっしり詰まっていました。
静岡産の麦芽を見ることができました。
サイロの隣には、グレンセパレーターという分離機(緑色の機械)があり、サイロとつながっています。
こちらで麦芽の中にある細かいゴミや小石などの異物を取り除いています。
取り除いたものはグレンセパレーターの下にあるディストナーに入っていき、さらに異なる異物を取り除いていくという流れです。
そして、綺麗になった麦芽はモルトミル(麦芽粉砕機)で粉砕していきます。
粉砕の工程で一番大切なのは粒の細かさです。(スタッフの方断言!)
麦芽を分離して、ハスク(もみ殻が多い)、グリッツ(ハスクより粉砕が進んだ状態)、フラワー(粉状)に分けていき、「ハスク3:グリット6:フラワー1」という割合になるように、モルトミルの中にある4本のローラーの間隔を調整して比率を決めているそうです。
ハスクが多いと次の仕込み(糖化)の段階で麦汁が十分に出ずアルコールが不足してしまい、フラワーが多いと次の仕込み(糖化)中に目詰まりをおこして仕込みが1日で終わらなくなるため、この割合はかなり大事なのだとか。
細かい仕事だというのがわかりますね。
粉砕された麦芽は仕込みをする糖化室に移します。
糖化室(MASHING ROOM)
でかいタンクがありました。
糖化槽(マッシュタン) 糖化槽の中
このでかいタンクが糖化槽(マッシュタン)と呼ばれ、モルトミルで粉砕した1トンの麦芽が、4,000リットルのお湯と混ぜ合わせて入れられていきます。
この時の水は地下水を利用していて、温めて64度のお湯になるように調節しているそうです。
麦芽とお湯を張り込んでかくはんして1時間寝かせると、麦芽が持っている消火酵素がでんぷんを糖分に変え、お湯のなかに抽出されていきます。
こうしてできた甘い液体のことを麦汁と呼び、これをろ過したものを冷やして発酵槽に移していきます。
発酵槽上部(WASHBACK)
発酵槽の上部を見学です。
手前から 奥から
発酵槽に入ってきた麦汁は、酵母と合わせます。
酵母が麦汁中の糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスに変えていきます。
そのため、麦汁はぶくぶくと泡をたてて沸いています。
真っ白できれいで、香りはきつくなく甘い香りです。
これが3日間ほど経過すると、酵母が死滅していき、木桶の内側に住み着いている乳酸菌が活動を活発化させ、乳酸発酵が行なわれます。
その結果、ペーハー(酸度)が上がり、すっぱい液体ができるそうです。
茶色く、酸っぱいぬか漬けのような香りです。
この状態が、もろみ(ウオッシュ)と呼ばれています。
こうして、アルコール度数が約7%と高まるそうです。
ここでできたもろみを次の蒸留機で蒸溜していきます。
蒸留機(POT STILL)
ウィスキーは一般的に2回蒸溜するといわれています。
1回目を初溜と呼び、蒸留機(ポットスチル)の銅製の部分にもろみを入れて7時間ほど蒸溜していきます。(6,000リットル入る)
ここで約7%のアルコール度数が約20%~30%に上がり、ウィスキーの香りの成分がつくられていきます。
1回目に出てきた液体を2回目に蒸溜することを再溜と呼びます。
この工程により、アルコール度数が約60%~70%に高まります。
再留機でできた液体をヘッド、ハート、テイルと3つに分けて呼び、ミドルカットし真ん中の雑味がないハートの部分のみがウィスキーの原酒として製品用に樽詰めされていくそうです。(ヘッド、テイルは次の再溜のときに再利用されるそうです。)
ミドルカットしたものを、見た目と香りでどこからが製品化できるかクイズがありました!
取り出した時間で色と香りが異なるようですが、ガイアフロー静岡蒸溜所では右から2番目を抽出して樽詰めしているそうです。
私は大きく違いがわかりませんでしたが、プロが香りを1分ごとにチェックして抽出するタイミングを決めていると聞いて繊細な仕事だと感心しました。
ミドルカットのタイミングによって原酒の質が大きく変わるため、蒸溜の中でも一番大切だと言われているそうです。
この銅製の部分はスコットランドのフォーサイス社という会社が作ったものですが、窯の部分は日本国内のピザ窯をつくる会社が作ったそうです。
ほとんどの蒸溜窯はガスで焚くようですが、ガイアフロー静岡蒸溜所は、地元静岡市の薪を使って直火焚きしています。
薪直火で蒸溜しているウィスキー蒸溜所は世界でもこちらだけではないかとのことです!
このようなところにも地元愛が見えて、本当に好感が持てます。
熟成庫(WAREHOUSE)
さて、樽詰めしたものを見学しに、外に出て熟成庫へ向かいます。
熟成庫のとびらを開けた瞬間、ふわーっと甘いウィスキーの香りが鼻を抜けていきます!
それもそのはず、広く天井が高い熟成庫のなかで、たくさんの樽が棚に貯蔵してありました。
熟成庫の棚 記念撮影スポット
熟成は温度変化が大きいほど早く進むらしく、こちらの熟成庫は温度変化が大きくなるように設計されていて、大きな天窓や窓の設置、シャッターはガラス張りになっています。
熟成中に樽の中身が減る現象が起こるのだそうですが、「天使の分け前(エンジェルズシェア)」と呼ばれているようです。
原因は、樽の呼吸にあるのだとか?!
ウィスキーの熟成は樽が呼吸して外気を取り込み、内部のアルコールと水分を揮発させることで進んでいきます。
日本だと年間3%くらい減ることが多いのだとか。
熟成庫に入った際の甘い香りは、樽からウィスキーの香りが気化したからで、天使の分け前のおこぼれだったのかもしれませんね。(確信)
今回の見学ツアーで学んだウィスキーの製造工程を図にまとめました。
試飲室(TASTING ROOM)
※お酒は二十歳になってから。未成年者の飲酒は法律で禁止されています
いよいよ、テイスティングです!
まだ発売する前のものを飲めるというのが少し嬉しいです。(味や香りは熟成度によって異なるそうですが)
私はここでしか飲めない1~6のうち、1、2、5を試飲しました。
ニューメイクスピリッツという、熟成させる前の蒸溜したてのもの(1、2)を飲み比べしてました。
1は色が透明で、香りはとても爽やかです。
口のなかの温度で香りが広がっていくのが特徴的でした。
2は同じく色が透明で、口に含んでから少し遅れて香りと熱さがやってくる印象です。
1と2の違いは、香水に例えると、1が夏の爽やかな香り、2が冬の重く甘い香りといったところでしょうか。
それぞれ香りに特徴があり、異なる味わいを出しています。
さて、5のカスクサンプルについては樽で熟成させたものなので一番楽しみです。
5は茶色く、濃い香りです。
軽いかと言われるとそこまでライトではなかったですが、フルーティーと書いてあるようにいい香りがしました。
口に含んで水と合わせながら飲んでも美味しく、ナッツなどのおつまみにも合うと感じました。
アルコール度数が60%以上ととても強いものを3杯飲んだので、少し酔っ払ってしまいました。
さいごに
ほろ酔いのいい気分でガイアフロー静岡蒸溜所を後にすることができました。
帰りは、蒸溜所の前からバスで静岡駅まで帰ったのですが、バスの中で爆睡し、気づいたら静岡駅近くまで来ていました。
時間が経つのがあっという間に感じられるとても楽しい見学ツアーでした。
ガイアフロー静岡蒸溜所、近々はじめてのシングルモルトウイスキーボトルを発売するそうです。11月16日(月)17:00に詳細発表されると公式ツイッターで案内がありました。楽しみで仕方ありません。値段によっては購入したいと考えています! (追記)12月19日(土)発売!ついに発売決定!静岡蒸溜所 シングルモルトウイスキー | GAIAFLOW BLOG (追記)12月17日現在、買えるかわからないくらいに争奪戦となっているようです。静岡市内の酒屋行けば買えるでしょうか。試してみます!(追記)12月26日現在、手に入りませんでした。これから流通量が増えるのを首を長くして待ってます!少し前ですが、静岡市内にあるDON FARMというお店で提供していました!
ウィスキーに全く興味ない方も多いと思いますが、興味がなくてもとても楽しい非日常な体験をすることができます。
私もまったく詳しくなくて、ハイボールが美味しく飲めるかなくらいの感覚で参加しました。そうしたら思っていた100倍楽しめて、写真や動画を撮りすぎてスマホの電池がなくなってしまいました。
ウィスキーに興味がなくても、お酒が飲めなくても楽しめますのでぜひツアーに参加してみてください。
ツアー申込方法(ガイアフロー静岡蒸溜所のホームページ)を貼っておきます。
オクシズで育ったヒノキをふんだんに用い、自然と一体になった蒸溜所。静岡の風土に根ざした、自然と調和するウイスキー造りを目指しています。静岡市産の杉材の発酵槽や、地元の薪の火で蒸溜するポットスチルなど、静岡蒸溜所ならではのウイスキー造りを体感できる見学ツアーを随時開催しています。
ガイアフロー静岡蒸溜所ホームページ(https://shizuoka-distillery.jp/distillery/)
この記事が、少しでも参考になれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
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